2017-08-16
改築しようにも出来ない住宅
こんにちは、辰川です。
関西では、人気のあるエリアとそうでないエリアで、地価の二分化がはっきりしています。
例えば、京都では「御所バブル」といわれるぐらい、土地値が高騰しています。
築30年を過ぎたマンションでも全く値段が下らず、高値を維持しているのですからまったく驚きです。
その点、奈良の市街地の土地相場はいたって平静。
今後、土地を探して、家を建てようとする人にとっては、
予算を土地に大きく削られないわけですから、喜ぶべきといえますね。
ところで、先日、築28年の中古一戸建てが気に入ったお客様がおられました。
現在の5LDKの間取りを、ゆったりして3LDKに変更できるのであれば、購入したいという希望です。
ただし、問題は家の構造にありました。
肝心の建物は、大手メーカーのツーバイフォー住宅。
ツーバイフォーとは、壁によって強度を保つ構造です。
当時の構造図を取り寄せて、補強しながらでも改装できなものかと検討しましたが、
やはり部屋と部屋を区切っている壁を取っ払うと、建物の強度が格段に落ちます。
一番、気の毒だったのは、早く家を売却したかった売主さんでした。
このように、ツーバイフォー住宅は気密性に優れるという利点はあるのですが、
将来とも増改築しないことを前提に建てないといけません。
しかし、家を新築し20年、30年たつと、その間に子供が独立したり、
親と同居したりと、家族の人数が変化します。
使い勝手も変わり、いよいよ増改築したいと思ったときに、
構造上、それが叶わないとわかったとき、これはこれでショックなことです。
こんな経験をするたびに、やはり従来からある、柱と梁のある木造住宅が無難なのだと、
つくづく実感します。
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