風通しの良い家をつくるには
こんにちは、奈良の注文住宅アドバイザーの辰川です。
夏場に外を歩いていて、直射日光がキツイとき、どことなく風が吹いてきたら、ホッとすることがあります。
新築住宅を注文で建てるときにも、最も重要視されるのが、日当たりではないでしょうか。
薄暗い部屋より、明るい部屋が好まれるのは当然のこと。
次に重要視されるのが、風通しの良いことです。
風通しがよいと、蒸し暑い日でも不快感を感じませんし、
家の中を空気が行き交うことで、不快なカビの発生も防げます。
では、風通しの良くするためにはどうすればよいのか・・
単に窓を増やばよいのでしょうか?
家自体の配置、窓の付ける位置、窓の大きさなどを考慮せず、
単に窓を増やしただけの設計では、風通しはよくなりません。
ところで、地域、季節によって吹く風は違うものです。
たとえば、太平洋岸に近い地域であれば、海からの南風が吹くことが多いです。
奈良県においても、生駒山や葛城山などの近くでは、山から吹き下ろす西風が強くなります。
また同じ地域でも、季節によって風の向きが変わります。
夏場は南風や東風が吹き、冬場は西風や北風が吹くような地域もまた多いです。
ところが、多くの人は、夏場できるだけ外気を取り込んで、
冬場は外気をシャットアウトしたいと考えます。
だからこそ、その地域の風向きを考えながら、窓を配置する必要があるのです。
しかし、風向きさえ考慮すればよいのかといえば、まだ不十分です。
家の風通しは、周囲の建物の影響を受ける
なぜなら、建設予定地の周囲の状況によっても、風通しは大きく影響を受けるからです。
野原の一軒家ならともかく、奈良の住宅地は周囲に家が建ち並んでいます。
だから、風は家と家の間を縫って通り抜けていきます。
従って、家の風通しをよくするには、
「風向き+家の周囲の環境」を考える必要があるのです。
例えば、一般的な窓として「引き違い窓」がありますよね。
しかし、この引き違い窓は、隣家が接近していると、真正面から風が吹いてきませんから、
ほとんど風を取り入れることはできません。
そこで、効果的なのが「縦すべり窓」です。
縦すべり窓を設けると、正面からの風だけでなく、横方向からの風も取り込むことが可能。
勿論、引き違い窓がベストな場所もありますから、同じ家の中であっても、
機能の違う窓を適材適所に、使い分けたほうがよいのです。
風の入り口があれば、出口も必要である
さらに窓の配置も重要となります。
一旦入った風は、出口を設けてあげないと、風がうまく抜けません。
ですから、部屋単位だけでなく、家全体で風の流れをつくり出すようにします。
このように考えると、風通しを深えずに設けた窓が
いかに無駄であるかがわかります。
いかがでしたか?
日々暮らす住まいは、全室空調を必要とするビルではありません。
天気のよい日に窓を開けたら、気持ちよく風が抜ける。
そんな居心地よい住まいをつくっていきたいものですね。
それではまた。
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