「プレカット」という言葉を知っていますか?
こんにちは、奈良の注文住宅を手掛ける辰川です。
家づくりの専門用語に「プレカット」があります。
プレカットとは、「あらかじめ(pre)切っておく(cut)」という意味です。
これは、木材を建築現場に持ち込む前に、あらかじめ工場で適切な形に切断・加工しておくことをいいます。
従来であれば、大工さんが手作業で行ってきた材木の加工を、工場で行おうというのが、プレカット工法です。
近年、工作機械とコンピュータ制御の進化、大工職人の減少を理由に、プレカットは奈良でも普及しており、木造軸組工法による家づくりでは8割以上が採用しています。
では、プレカットは大工さんの腕より、まさっているのでしょうか?
そんなことはありません。
プレカットに頼らない、大工さんの手による木の家はとても素晴らしいものです。
なぜなら、プレカット工法の目的は、工期の短縮とコストの低減にあるからです。
大工さんが現場で手作業で行う加工を、工場で行うというのですから工期がうんと短くなります。
しかも工期の短縮は、家が早く完成するので、人件費の削減にも繋がります。
ただし、プレカット工法では木の個性を活かせません。
経験豊富な大工さんは、木の個性を見抜き、それを活かして使いますが、プレカット工法には木の個性を生かすという考え方はありません。
例えば、木を逆さまにして柱として使っていてもわかりませんし、大工さんが行うような複雑な加工は苦手です。
現在では、ほとんどのハウスメーカー、多くの工務店がプレカットを採用し、大工さんの手で全てを行う工務店は激減しています。
質より量で対応する注文住宅の業者にとって、価格の安さは最優先事項ですからコストカットや工期短縮につながるプレカットは捨てがたいのです。
施主として、腕のいい大工に家を建ててもらいたい人にはこうした木材の加工の違いについて、知っていただけると嬉しいです。
それではまた。
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