コワい値引き
こんにちは、奈良の注文住宅アドバイザーの辰川です。
住宅会社の選定では、数社の相見積もりをとって、「A社は5%、B社は8%、C社は10%。オタクは幾ら値引きますか?」と、
暗に値引きを要求される方がいます。
では、注文住宅でこうした値引き要求は、本当にメリットのあることなのでしょうか?
大幅な値引きに応じる業者は、施主のほうがリスクを抱える可能性があり、とてもメリットがあるとはいえません。
ところで、注文住宅と対極にあるのが、完成済みの新築分譲住宅やマンションですね。
建物がすでに完成していれば、現物を自分の目で確認できるので、「今の販売価格より300万円値引きます」といわれても問題はありません。
しかし、注文住宅のように未着工の場合、どんな家が出来上がるか分からないため、値引き分だけのリスクを抱える可能性があります。
さて、一般の住宅会社や工務店の粗利益といえば、20%前後です。
ここから人件費、会社維持費、現場経費、運搬費などが出ますから、実際の会社利益は5%程度。
この中には、アフターメンテナンスのための費用も含まれているので、決して儲け過ぎではありません。
ですから、やみくもに値引きを求めると、品質を下げなければ2%とか3%の利益しか残らないので、会社を維持するにはギリギリです。
仮に値引きが通ったところで、材料の質を落とされたり、見えない部分で手を抜かれたら、結局は値引きなどせぬほうがよかったとなります。
中には10%も平気で値引く業者もありますが、それは見積りを高めにして10%値引いているか、あるいは下請けに丸投げして自社の利益だけを確保しているかです。
このように、完成物件とは違い、注文住宅に限っては「値引きしてくれれば契約する」というような交渉の仕方は問題があります。
なぜなら、真面目な業者ほど、正当な利益しか工事費の中に組み込んでいないので、大幅な値引きはできないものと考えるたようがよいからです。
ふつう見積り金額が高くなるのは、プランが複雑で工事の手間がかかったり、高級な設備機器が含まれているなど、規格外の工事が多いです。
この場合は、材料や手間の効率のよいプランに変更するとか、同品質をもつ別メーカーの機器に変更すれば、コストダウンもはかられます。
従って、注文住宅においては、施主の「こうしてほしい」という要望をそのまま取り入れてしまう業者よりも、
「何を優先したいのか」を考えながら、工事費を予算内に収めてくれる業者のほうが望ましいといえますね。
いかがでしたか?
真面目に家づくりをする会社ほど、大きな値引きはできません。
簡単にあなたの値引き要求に応じる業者は??と考えるべきかもしれません。
当初から値引きを含まない見積り提示の仕方が、施主には良心的といえます。
それではまた。
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