2017-05-27

なぜ木造住宅の人気が根強いのか

こんにちは、奈良の注文住宅アドバイザーの辰川です。

我が国における住宅づくり、特に注文住宅には実にさまざまな工法が乱立しています。

どの工法が良いのかは、それぞれに特徴もあり一概には良し悪しがいえません。

ただ、はっきり言えるのは、現行の建築基準法さえしっかり押えておけば、(要は、逸脱さえしなければ)、住宅会社(工務店)が自社の工法をどのようにアピールしようが勝手であるということです。

だから、これから注文住宅を建てようとする一般消費者は、雑誌やネットなどを通じ、業者のもっともらしい宣伝文句?に振り回されることになるのですが・・・

ただ、どの工法であれ、耐震性は無視できない課題といえるので、新築住宅や建て替えにおける建物の構造は、国が定めた基準値を満たしていることが最低の条件となります。

ところで、奈良の住宅総合展示場などに行けば、軽量鉄骨造りや、ツーバイーフォーなどのモデルハウスの大勢を占めていますよね。

そんな中、木造住宅と聞くと、デザインが垢ぬけていないとか、強度の問題があるのでは?という疑問を持つ人もいるかもしれません。

しかし、今の木造の工法は、日本の伝統的な技法を生かしながら、最新の材料・技術が加わることで進化しています。

先の阪神大震災では、倒壊した住宅の多くが木造だったので誤解も生まれました。

震災で被害を受けた木造家屋は、そのほとんどが昭和56年以前の耐震基準で建てられた古い建物でした。

ところが平成以降に新しい耐震基準で建てられた木造は、大きな被害を受けなかったのです。

昔から日本人の知恵を生かした木造住宅は、軸組み(じくぐみ)工法といって、縦の柱と、横の梁という「軸」で支える構造になっており、極端な話ですが仮に壁を取り去っても、ほとんど耐震性に影響はありません。

このように木造は軸で支える構造だからこそ、大きな開口部(窓)をつくることも可能なので、採光や通風のよい間取りができますし、また、吹き抜けなど広い空間を生かした、モダンな設計も可能。

さらに、大きな開口部が取れるということは、隣り合った2つの部屋を1つの部屋にするといった増改築に得意です。

しかも使用する木材の種類によって、予算を柔軟に調整することもできます。

こうした多くのメリットは、大手住宅メーカーが得意とする、家の強度を「壁」で持たせたツーバイフォーや軽量鉄骨ではとても真似できません。

但し木造にも欠点があります。それは、もともと木造の軸組工法は、木材に溝を刻んで噛み合わせるという職人技が必要な工法なので、大工の経験や技術の差が出やすく、建物の出来上がりにばらつきが出ることです。

でに近年は、「プレカット」といって、工場で木材を切断、加工する技術がは飛躍的に進んでおり、ばらつきもほとんど見られなくなりました。

いかがでしたか?

建売住宅と違って、一から建てる注文住宅の場合は、業者の宣伝を鵜呑みにする、たいていはお金の無駄づかいになります。

それよりも経営に携わっている人に必ず会っておくこと。
住宅や工法の良し悪し、好き嫌いよりも人です。

それではまた。

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