注文住宅でノーメンテナンスは可能か
こんにちは、奈良の注文住宅アドバイザーの辰川です。
最近は、住宅関連のカタログなどで、メンテナンスフリーという言葉を見かけることが増えました。
たしかに、メンテナンスフリーという言葉には心惹かれるものありますよね。
実際、新築して数年間はきれいでも、十年、二十年も経つと、傷んでくる箇所が増えて、
補修しなればならないというイメージがあります。
では、住宅のノーメンテナンスは本当に可能なのでしょうか?
住宅がメンテンスフリーで30年何もしなくていいというのはほぼ不可能です。
家は住んで10年目ぐらいから、外壁の塗り替え、屋根の修理、壁紙の張替えなどに何十万円も掛かかったりします。
たとえば、法隆寺に代表される寺社建築や、百年、二百年経過した民家も長年、メンテナンスを繰り返すことで、今の時代に至っております。
夏と冬の気候差や、梅雨における湿気、夏の紫外線など、日本の住宅を取り巻く自然環境はきわめて厳しいものがあります。
確かに、最近の注文住宅の建材は耐久性の面で向上してきましたが、まだまだメンテナンスフリーとはいかず、定期的なケアが必要なことは昔と変わりません。
これは、自動車の車検と同じことです。
車の場合、オイル交換や、ブレーキパッドの減り、タイヤの空気圧をチェックなど、安全に乗り続けるためには普段からやっておかない、本来の機能を果たすことができません。
最近は、一般住宅向けの耐久性に優れた建材もでており、メンテナンスに気遣う必要もなくなったのではないかという意見があるかもしれません。
しかし実際には、木造や鉄骨造よりも、はるかに頑丈なはずのマンションでさえ、計画的な維持管理を行っています。
マンションの場合、全所有者で共有する「共用部分」として、外壁、廊下、階段等がありますが、
こうした共用部分を守るために、どのマンションも長期の修繕計画を立てています。
マンション住民が毎月修繕積立金を積み立てており、建物の維持管理することは、マンションに暮らすうえで当然のことになっています。
一般住宅向けのメンテナンスフリーを謳う建材のほとんどは、高価なようです。
こうした建材を使って、30年間、維持管理せずに問題なく暮らすことができても、もっと長い年月を考えたら、住宅の寿命は短くなっている可能性があります。
新築の際に、例えばメンテナンスフリーの建材に300万円も400万円もかけるくらいなら、そのお金を点検やメンテナンスに回すほうが、
家の為にはずっとよいことです。
注文住宅であっても、定期的なメンテンスは必ず必要と考えて、資産価値が落ちない住まいにしてくださいね。
それではまた。
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