2018-04-07

地盤調査、大地震の苦い経験があればこそ

こんにちは、辰川です。

住宅の構造は、2,000年に改正された建築基準法により、
国土交通大臣が定めた方法にすることが義務付けられています。

したがって、住宅の着工前には地盤調査を通じて
地盤の長期許容応力を調べなければいけません。

実は、そのきっかけとなった大事件が、
1923年(大正12年)に起こった関東大震災です。

このとき、何と、全壊が約10万9千棟、半壊が約10万2千棟もありました。

これを教訓にして、すぐに日本で「復興局」が創設されて
初めて組織的に地盤調査が行われます。

調査の方法として用いられたのがは
ロッド、スクリュー、錘(おもり)を使って、
土の硬軟や締まり具合を判定する 「サウンディング試験」です。

この方法は現在の地盤調査方法にも通じたものです。

ところで、復興局をつくった佐野利器博士は、
関東大震災が起こる8年も前に、 家屋耐震構造についての講演をしています。

当時の講演の記録が今の残っており、 内容はおよそ次のようなものでした。

1.建設地の地盤は硬いほどよい。ただし断崖の上は避けること。

2.基礎は深くし、かつ堅固に作ること。

3.建物の形はできるだけ単純にして凹凸を少なくし、
デザインは質素なものとする。

4.材料は出来るだけ軽い方がよく、
特に建物の上部を重くするのは好くない。

5.材料や構造はできるだけ一様で均一な剛性を持つものを用いる。

このように、今から約90年前の専門家は
地盤やそれに合わせた建物づくりの重要性を認識していたのです。

ところで、現在では、家を建てる前に地盤調査をしなければいけません。

ただ、調査代には数万円が必要であり、
さらに地盤改良をすると40、50万円~100百万円位は必要でしょう。

そのため、最初の頃は調査を嫌がる施主も多かったとか。

しかし、その後、日本は大きな地震がいくつも発生し、
土地の液状化といった映像を見る機会が増えたこともあり、
地盤調査の重要性も認識されるようになります。

今では、地盤の質を調べ、それに合わせた家をつくることが、
当たり前のように出来るようになりました。

このように考えたら、私たちは良い時代に家づくりができて幸せですね。

それではまた。

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