RC造と鉄骨造とはどんなものか?
こんにちは、奈良の注文住宅アドバイザーの辰川です。
前回までお話しした、木造住宅(軸組工法とツーバイフォー工法)以外にも、建築工法があります。
そこで今回は、鉄筋コンクリート造(RC)と、鉄骨造について。
鉄筋コンクリート造(以下、RCという)と聞けば、まず代表的なのが商業ビルや分譲マンションではないでしょうか。
ですから、RCを一般の注文住宅に用いるのはちょっと大げさといえなくもありません。勿論、建築コストも木造など比べ、はるかに高くつく工法です。
ただRCのつくり方が、柱や梁などの鉄筋を組んでからコンクリートを流し込む施工なので、外観を曲面にするなど様々なデザインを持つ住宅に対しても、柔軟に対応が可能です。
そのほか、RCは耐震性、耐久性、気密性、遮音性に優れているという特徴を持ちますが、専門の構造計算が必要となります。
一方、デメリットもあります。
それは、RCは建物の重量がかかりすぎるという点です。
実は先日、奈良の住宅地で、バブル期に建った中古住宅を見る機会がありました。
1階がRC、2,3階が木造という、当時としては材料や設備に贅を尽くした住宅でしたが、残念ながら、RCの重みで建物の一部に沈下が見られました。
当時は地盤調査に基づく基礎工事が徹底していなかったのが原因ですが、比較的軽量な木造住宅なら大きな問題にならなかったかもしれません。
ですから、重量のあるRCで建てる場合、地盤からしっかり施工を行わないと、いくら建物が頑丈でも意味をなさないということです。
さて、もう一つの鉄骨造については2種類の方法があります。
いわゆる「重量鉄骨造り」と「軽量鉄骨造り」というものですね。
重量鉄骨造では、厚みが6ミリ以上のH字鋼などを使うため、高い構造強度を発揮します。
柱の本数も少なくて済むので20帖以上の空間も可能ですが、ただ、これも一般的注文住宅向けというより、むしろ大きな建物に適した技術といえなくもありませ。
後者の軽量鉄骨造とは、厚さ3~5ミリの軽量鉄骨を使い、木造と同じように、鉄筋の「筋かい」を入れることで強度をもたせています。
軽量鉄骨造は、大手住宅メーカーが盛んに採用する工法なのですが、最大のメリットとしては、規格化が容易で工場生産できることが挙げられます。
つまり、大手住宅メーカーの主流が、軽量鉄骨のプレハブ工法であるのは、建築コストが下がり、現場の手間が少なく、工期も短くなるからです。
ただ軽量鉄骨では、工場生産による品質の安定はあるものの、規格品ゆえに、間取りプランの自由度は低くなる点です。
各社とも広告などでは「フリープラン」と謳っていても、実際には既存のプランのなかで、玄関の位置を東から西に置き換えてだけだったり、和室が独立している、リビングと一体かという違いだったり、納戸を増やすか、もう一部屋増やすかというだけの差でしかなかったりします。
従って、建て主が細かな要望を出した場合、基本プランを組み替えるしか対応できない、ということになります。また、将来、増改築の要望に対応が難しいのは、RCと同様です。
いかがでしたか?
注文住宅をRCまたは鉄骨で建てる場合、住んでからの間取りの変更はほぼ不可能。それだけに、将来増改築の必要がない位、徹底してプランづくりができるかどうかがカギといえます。
それではまた。
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